オモウソラ

日々の想うことをつらつらと。 本家“想空”のミラーブログです。

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「目が悪いのか」
「30になったら見えなくなる」
「今いくつだ」
「今年30だ」
う~ん、見事な掛け合いだ。
桃の花が散ってしまう前に故郷に帰りたいと稼ぎ口を探しに来た剣士(梁朝偉/トニー・レオン)。桃の花なんて咲いてない故郷。見えなくなる前に最愛の妻・桃花(劉嘉玲/カリーナ・ラウ)に会いたいってことなんですよね。それは欧陽峰=西毒(張國榮/レスリー・チャン)が、彼の故郷を訪ねて初めてわかる事実。
そして本当に桃の花が咲く場所には、西毒が唯一愛した兄嫁(張曼玉/マギー・チャン)がいるんだけど、彼はそのことを知らない。知っているのは親友の黄薬師=東邪(梁家輝/レオン・カーファイ)だけ。
彼が後に桃花島主になったのは、実は兄嫁に心を寄せつつもそれを伝えることもないまま、消し去るしかなかった思いの象徴なんだってことが暗示されてるんですよ。(桃の花が咲く海の見える場所で兄嫁は息を引き取った。これって桃花島のことなのかしら?)

私は西毒と兄嫁のエピソードが一番好きなんです。原作にたった1行登場するセリフから、こんなに広がるなんて。。。
有名になるまで待ってくれていると思っていた恋人、でも彼女は待っていた言葉を諦めて、彼の兄に嫁ぐ。彼への抗議のために。ただそれだけのこだわりが、深い溝になってしまうんです。
結婚式の夜、駆け落ちしようという男を拒絶する女。
西毒は以後、人を拒絶し続けることになる。自分が拒絶されないために。
女は、自分の些細な固執によって最も逃してはならないものを手放してしまった。そのことに気付いた或る日、彼女は自分が敗者だと思い知り泣き伏せるしかなかった。
残された海に佇む子どもは欧陽克(おうよう・こく)なんだろうなぁ…と、これまた原作を読んだからこそ意味のわかる部分であったりします。(原作でこのエピソードが語られるシーンもやはり海でした)人と喋らず何も反応しない子が、成長してあんな女ったらしの気持ち悪いヤツになるのかと思うとゾッとしますが(苦笑)

どうして西毒と七公が仲が悪いのかも、このストーリーで一つの形を見せてるんですね。
これは原作にはないエピソードですが、でも彼らが根本的に共有できない感情の部分はしっかり残してるんで納得なんですよ。9本指のエピソードも出てきます。
二人が決定的に理解しあえない点、それは情。
「お前が無力に気づくのを待ってたんだ」西毒の冷たく鋭い一言の裏に秘められた思いを知るものはいないのよね。

林青霞(ブリジット・リン)演じる燕国の慕容燕(ぼよう・えん)と慕容媛(ぼよう・えん)の兄妹。燕は「天龍八部」の慕容復(ぼよう・ふく)、媛は王語嫣(おう・ごえん)がモデルだと思われます。
慕容燕は慕容家に生まれた長女なのだけど、二重人格で普段は男の部分が前に出ています。ある酒場で黄薬師に出会って「お前に妹がいたら嫁にする」と言われて、彼女の女の部分が独立したいと強く願い始めるの。それがきっかけで二つの人格に争いが起こって彼女は混乱する。
兄は妹を騙した黄薬師を殺せといい、妹は恋人を殺そうとする兄を殺せと西毒に依頼するんです。
結局彼女の精神は破綻しちゃったのか…後に東方求敗(東方不敗と独孤求敗の合体?)と呼ばれる達人になるのであります。「笑傲江湖」に出てくる東方不敗がおかまだってことと(最強になるためになったんだけど…)、林青霞の当たり役だってことも大きく絡んでる設定なんだと思います。

黄薬師が女ったらしの設定なのは、当初レスリーが東邪役だったからなのか?
そのせいでトニさんとカーリンは別れ別れになり、慕容兄妹も精神がおかしくなるし、元凶はお前だ!
タン様の東邪はいかにも堅物っぽくていい!めちゃくちゃ東邪キャラですよ。女ったらしなのは・・・だけど。
だいたい黄薬師って愛妻家じゃないのさ。この後幸せな結婚してお蓉が生まれてデレデレパパになるのかぁ。。。じゃあマギさんへの想いはなんだったんだーーーー!レスリーなんてずっと独身なんだよ?酷いじゃないか。いや、あのお酒を飲んでマギさんのこと忘れちゃったからか。桃の花のことしか覚えてないって言ってたもんなぁ。
あのお酒「酔生夢死」。西毒も最後にはこのお酒を飲んだけれど忘れることが出来なかった。切なすぎる。。。西毒にとって兄嫁はすでに心に刻まれた人だったから、この虚しさを抱えて生きていくしかないと、それが彼女が彼に残した瑕だったと。

あぁっ、もう上手すぎっ!やっぱり「楽園の瑕」は面白い!王家衛ってやっぱ脚本家なんだなぁとつくづく思いましたわ。
初めて見たときから、この作品の複雑な骨組みにひきつけられましたが、まさかこんなに細かく深い話だったなんて…と見るたびにため息が出ます。
役者陣も素晴らしい。レスリーの冷淡でゾクゾクするほどの存在感、トニさんの静かな情熱、カーリンのゆらめく美、ブリジットの狂気、どれもこれも珠玉の極みです。
今回初めてスクリーンでこの作品を見たのですが迫力が違う。これは大画面で見るべき映画です。なかなかこの映画について書く機会がなくて、本当はもっともっと書きたいことは山のようにあるのですが、さすがにオールナイトは疲れました。ちょっと眠ります。おやすみなさい。zzz...












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